順天堂大学医学部心臓血管外科学特任教授天野篤先生による「富士学院自立講座」を実施しました。
こんにちは。教務課の松本です。
11月9日、富士OB会顧問である順天堂大学医学部心臓血管外科学特任教授 天野篤先生による「富士学院自立講座」を実施しました。富士ゼミ生、現役生の受講生、保護者様等多くの方にご参加いただき、医療の最前線でご活躍されているスーパードクター天野教授のお話を聞ける大変貴重な機会となりました。
富士学院では「自身が何のために勉強しているのか」「医師になるということはどういうことなのか」等「医師になる」という生徒自身の強い自覚や更なるやる気を促していくことを目標に、年間を通し様々な取組みを行っています。今回は「自立講座」として、天野教授に「医師になるための覚悟となってからの責任」というテーマで、これから医学生になっていく生徒達に向けて、医師になるという自覚を高めるための意識付けを行っていただきました。
医学部入試、医師国家試験、医療業界全体の現状など、ご自身のご経験を交えてわかりやすくお話ししていただき、約1時間の講演を参加者全員が一言も聞き漏らすまいとメモを取りながら熱心に聞き入っていました。特に、今まさに生徒達がしている受験勉強が将来医師になった時に大いに役立つということが、不安や迷い、疲れを感じながら勉強している生徒達に大きく響いたようです。患者さんの病気の症状が過去の症例にそぐわない場合、似たような症例から探して治療法を考えないといけませんが、その際、受験勉強で圧倒的に多くの問題を解き、経験値を上げ応用問題を解決できる能力を養っていくことで、医師になって必要なEBM(evidence-based medicine根拠に基づく医療)の信頼度を高める、というお話を聞き、生徒達は現在している勉強が将来患者さんを一人でも多く救うことに繋がるとあらためて感じて、学習のモチベーションが高まったようでした。問題を多く解く、ケアレスミスをしない、根本的にアプローチできないような皆が解けない難解な問題には手を出さない等、医師になってからも役立つ勉強のアドバイスもいただきました。
他にも貴重な手術映像も見せていただき、「医師の知識不足は許されない。知識不足のまま医師になると罪のない患者を死なす」という言葉が生徒の胸に深く刻み込まれました。医学部に入学することがゴールではなく、そこから国家試験に向けて、そして生涯学ぶ姿勢を持つことが重要であることを様々な角度からお話しいただき、生徒達も医師になるための覚悟となってからの責任を強く感じたことと思います。
講演後は質疑応答も行われ、生徒達は緊張しながらも熱心に質問をしていました。天野教授もそれにお応えいただき、真摯にそして熱く一つ一つの質問に答えてくださいました。天野教授のお答えに共通していたのは、患者さんを救うために失敗は許されない、失敗しないためによく学び準備をすること。生徒達も受験前の今の時期に医師への思いを強くする大変良い機会となったはずです。天野教授にはお忙しい中、このような貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございました。
最後にご参加いただきました生徒、保護者の方々のご感想の一部を紹介させていただきます。参加者全員が天野教授の温かいお言葉に大きく励まされました。生徒全員が医学部に合格し、そして将来の良医になることを願っています。
・今の受験勉強が今後医師として働く自分の思考力、判断力に繋がるということに気づくことができ、これまでよりさらに目的意識を持って取り組めると思います。
・私はあまり自分に自信を持てるほうではないですが、「これならやれる」ことを探して勉強に取り組み、「自分ほど医師に向く者はいない」と心に留め医師を目指そうと改めて思いました。
・先生がおっしゃったように、患者さんには真摯に命と向き合い、積極的に学び続ける医師でありたいと思います。国試をゴールにせぬよう様々な問題をできる限り、いやそれ以上解いて必ず合格したいと思います。
・患者にとって最善の医療を施すためには、医師が患者側に寄り添ってその立場から課題を見つけていく姿勢が大切であることがわかりました。
・天野先生のお話、厳しいお言葉の中にもこれから医師を目指す息子の心の中に焼き付く優しいお気持ちが感じられました。貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
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