「ありがとう」の反対語は「当たり前」

東京校の村田です。宜しくお願い致します。

今回、生徒たちが学院の生活に慣れ、5月の面接指導で医師になる覚悟を確認し合い、6月はチーム会議でここまでの学習状況を生徒中心に関わる全ての担当講師・職員で共有し、更なる決意を固めあっていくタイミングで、「自立」について生徒と一緒に考える時間を取りました。

初めに、2017年度より、ほぼ全体の医学部で教育カリキュラムが変更され、臨床実習が倍の2年間になり、基礎医学等の座学時間が減り、医師国家試験の対策時間も今までのように取れなくなる事を話し、現状でも、留年や放校が少なくない中、更に厳しくなるカリキュラムを一つひとつ習得するためには、自立した学習と生活リズムを継続していく力を持っていないと、手取り足取り、誰も助けてくれない事。医師になる覚悟をもって自立していかなければ、6年間続けていく事が難しい事などを話しました。不安をあおるのではなく、現実に受験生時代にその点を成長しておかないと、せっかく合格したにも関わらず不本意な結果に繋がるからです。

「自立」の反対は「依存」。講師・職員の助けを借りながら成長していく事は必要ですが、助けばかりを求めているだけでは自立は出来ません。どうしたら、自立の方向に成長できるのか?年間を通して生徒に関わっていると、医師の姿がイメージできる生徒が日を追うごとに増えていきます。成績はもちろんですが、入学のころとは違う人間的な迫力と言うか言葉で表現するのは難しいのですが・・・ただ、伸びていく生徒に共通している言葉があります。それは、「ありがとうございます」という言葉です。感謝の言葉を素直に出せる生徒は壁にぶち当たった時に先ず自問自答し、そこから改善点を探り、克服するために質問・相談をするといった姿勢が多いです。逆は、自分以外に原因を求め、自らの本質に気付かない状態の生徒です。そういう意味では、自立のスタートは感謝できる心の構築にあるのではないかと感じます。そのうえで何事にも感謝していこうという姿勢は重要だと思いますが、「当たり前」という意識を変える事の方が更に重要だと思います。生徒達は当たり前に何でも準備される時代を生きてきています。そこで、自分の今おかれている環境を一度、客観的に考えることを提案しました。

話の中で、人間として生まれてくる確率を生徒に出題しました。ざわつきながら、それぞれの計算式ですごい桁の数字を言い合っていました。何を基準にするかで確率は変わりますので、そこは問題じゃありません。ものすごい確率だという点に気付けるだけで良いと思いました。ある教授は1億円の宝くじが100万回連続して当たる確率×人間の細胞の数である約60兆と表現されていました。続けて、世界の平均寿命の質問をしました。日本が世界の中で長寿国家としてトップを競っている事は知っていますが、世界には平均寿命が40歳台の国も複数ある事も紹介すると驚いていました。その国の人たちからすると、約2回分の人生の時間を頂ける国に生まれたてきた事に感謝です。現在の天災や戦争等に気持ちを巡らせれば、国内でも世界でも当たり前の日常が一瞬で非日常の世界に変わります。これは誰にでも起こりうることである事等の話しをさせて頂きました。

現在、生徒たちは毎日、大変な学習と生活リズムの中、様々な問題と格闘しながら頑張っていますが、将来の目標達成のために受験の機会を頂いていること自体が「有り難い」ことだと再認識し、先ずはその環境を与えて頂いている親への感謝をあらためて思うところからスタートしていく事を約束し合いました。終了後には、生徒全員が、学習面・生活面で自立できていないと思っている事をまとめて提出してくれました。一人ひとりの生徒が、感謝しながら書いてくれたことを克服していく先に合格も良医への道も続いていると思います。その達成へ向けて、先ずは、講師・職員が生徒と向き合えることに感謝しながら、更なる覚悟をもって応援していきます。