日頃からの訓練「新聞視写」

教務課の友田です。
早いもので4月のゼミ開講から既に1ケ月が過ぎました。ゼミ生達は学院の一日・1週間といったリズムに沿い、それぞれの学習に日々努力を重ねる毎日を過ごしている状況です。

さて学院では随分以前から新聞視写を生徒に取り組ませてきました。『天声人語』『編集手帳』といったコラムから一篇を選び、一文を一度頭に入れて出来る限り本文を見ずに正確に写す、或いは気になる数文を抜きだしコメントを書く、といった指示のもと、分かり易い文章の書き方、言葉の言い回し、文書の中での語彙の書き取りといった練習を繰り返すことで、オーソドックスな文章を書く為の基礎作りを期待してのものでした。
しかし医学部の受験環境や入学後の素養面までを考慮した上で、今年からコラムにかかわらず、医療・政治・世界情勢など注目しておくべき記事なども含め、新聞記事全体から適宜教材を取り上げるように変わりました。

一つには医学部受験では小論文の比重はけっして軽いものではないこと。加えて出願の折の志望動機をまとめるなど、自分の考えをまとめる力がとても要求されます。また二次面接での対応を考えておかなくてはなりません。出題傾向も多岐にわたりますし、広く教養を求められることもあります。医療に関する話題を少し掘り下げて知る事など、医療を目指すものが是非とも関心をもっておかなければならない情報もあります。そうしたことまでを広く考えますともっと掘り下げた記事や時事解説などにも積極的に目を向ける必要があるでしょう。

小論文の授業でもそうした医学部受験生が知っておくべき知識面については従来と同様に講義が行われますが、バックボーンとなる広い情報を得ること、常日頃から考えをまとめる練習をしておくことで、更に授業との相乗効果も期待できるのではないかと思われます。
設題も視写に加え、要約や、字数を設けての所感、指定語句を使った作文など様々です。月曜に課題が配布し、一週間かけてノートに完成させ、提出後は担任講師のチェックを受けます。採用された文章の長さが3〜5倍となってますし、なかなか手強い印象を受ける課題です。1週間をかけて計画的に取り組むことを求めています。

現況5回めのノートが提出されたことになります。見ますと月曜日に配布された課題を日々きちんと計画的に取り組んでいる様子のわかるノートもある一方、土曜日の夕刻に慌てたように課題の用紙をもらい忘れたと言ってくる生徒も数人いました。日曜日にまとめてやるつもりでしょうか。「やっつけ仕事では良い内容は書けないよ。」との注意はしつつも、とにかく頑張って取り組もうという姿勢には励ましています。生徒それぞれが教科学習に追われる中、数分・数十分を間に挟み込むことで、文章を書き写したり、考えをまとめる行為を気分転換にしつつ、ひいては数か月後の入試における自己表現や小論文の強い武器となることを願っております。新しくなった取り組みを見守っていきます。

【福岡校医学部受験イベント情報】

6月10日(日)久留米大学医学部推薦入試説明会及び医学部教授による特別講義

6月17日(日)福岡大学医学部推薦入試説明会

6月24日(日)第1回医学部実力模試 解説授業